1905年(明治38年)に建設されたレンガ造瓦ぶきの建物で、1906年(明治39年)から1914年(大正3年)まで、万田坑内の換気を行うための蒸気動力の扇風機室として使用されていました。第二竪坑坑口に隣接しており、建物内に巨大なウォーカー式扇風機が格納されていて、坑内の空気を吸い出していました。扇風機の羽根は建物の北側中央に据え付けられており、その軸受けなどの痕跡が今でも残されています。もともとはこの建物の排気塔(はいきとう)から扇風機の排気がなされていましたが、後には現在の事務所に排気塔が移動され、この建物は坑内から汲み揚げた水を灌漑(かんがい)用水などのために送水するポンプ室として、また倉庫としても使用されました。